鉄骨構造と鉄筋コンクリートの地震被害     ヤルデア研究所 伊東義高


〔柔構造と剛構造〕 ・21世紀の現在、大都会の中心部にはビルが林立している。  ・特殊事情を除けば、ビルは大地震でも転倒・崩壊はしない。   ・しかし、外壁剥離・窓硝子落下・家具乱舞等の被害はある。    ・それらは「鉄骨構造」と「鉄筋コンクリート」とではかなり異なる。     ・「鉄骨構造」は基本的には「枠組み構造」で、「柔構造」といえる。     (木造建物でも従来型の「柱組み構造」は同様に「柔構造」である)      ・「鉄筋コンクリート」は鉄筋をコンクリートで固めた「剛構造」である。       (木造建物でも近年の「パネル構造」はかなりの「剛構造」である)        ・外見からは「鉄骨構造」か「鉄筋コンクリート」かは見分けにくい。 〔外壁剥離・窓硝子落下〕 ・「タイル張り」や「モルタル塗り」の外壁は基本的に「剛性」である。  ・「剛構造」の「鉄筋コンクリート本体」とは固有振動数が近く馴染む。   ・「柔構造」の「鉄骨構造本体」とは振動幅が違い、剥離をしやすい。    (「柔構造」の「木造建物」の場合も「外壁」や「瓦」は剥離・落下し易い)     ・窓ガラスは鋼鉄サッシュに嵌め込まれた剛性・脆性の珪素硝子が多い。      ・サッシュ正面の揺れには耐えても、横からの圧縮応力には変形し易い。   ・サッシュが変形すれば脆性の珪素硝子はたやすく割れて、落下をする。    ・珪素硝子は三角形の破片に割れて落ちるので、人への殺傷性は大きい。     ・樹脂硝子・強化硝子・ポリフィルム貼り等は殺傷性は少ないが零ではない。       ・本震中や余震警戒時に中高層ビル街や繁華街での通行は危険が大きい。 〔室内の家具転倒・乱舞〕 ・新耐震法・近代的設計・正規施工の中高層ビルは転倒しない。  ・しかし、ビルの中高層階の室内では家具類による被害が多い。   ・免震構造・制震構造でない場合の中高層階の揺れは大きい。    ・多くの本棚類は倒れ、パソコン等は飛び、デスクは走る。     ・天井材・天井灯・窓硝子の室内落下の被害も十分にある。  ・身を隠そうとする事務机が弾き合ったり、走ったりする。   ・事務机の相互連結・机下の整理・掴まり環が求められる。    ・ビルだから絶対安全でなく、ビルなりの地震対策が要る。     ・また当然に電気火災・ガス漏れなどの対策は必要である。

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