ピアノの固定     ヤルデア研究所 伊東義高


・家庭、幼稚園、小学校……よく見かけるアップライト型のピアノは震災で主役を演じる。 ・アップライト型のピアノは構造上重心の位置が割に高く、しかもやや後方に偏っている。 ・従って、地震動により容易に後方に倒れたり、後ろの壁に跳ね返って勢いよく前倒する。  (フロアリング上ではキャスターがよく働き、猛烈な勢いで重量力士が突進してくる)  (一方、グランド型ピアノは重心の位置から倒れないが、これも小錦並みに突進する)

・ピアノ業界ではいち早く、ピアノ専用の耐震器具をいろいろと開発し、販売をしている。 A:インシュレーター(音響遮断具)=ゴム靴…キャスター機能を封じるもの B: 特殊インシュレーター=地震で後輪部が破損し後方に傾き壁に寄り掛かる C:耐震敷き板(くぼみつき敷き板)=長下駄…キャスター機能を封じるもの D:耐震敷き板(くぼみつき敷き板)=長そり…キャスター機能を封じるもの

 (インシュレーターを履かせることは絨毯上に置くことと同じで、走らないが倒れる)  (敷き板も同様で後方に倒れる確率が高く、衝撃で壁やピアノ調律部が損傷しやすい)  (特殊インシュレーターは極めて高い確率で壁に当たり、損傷または跳ね返りをする)  (そり型の敷き板は揺らぐことでややエネルギーを吸収するが、大振動では転倒する) 壁に縛り付ける ・自治体などのサイトでよく見かけるものにピアノを紐で縛って壁に止める方法がある。  (一番手軽な方法ではあるが、その姿はあまりにも非芸術的で多くの人から疎まれる)

見えないように壁に固定 ・ピアノの天板は十分に厚いので、これと壁を金折れと雄ネジ雌ネジを使って固定する。 ・天板の後方で少し頭を出すだけなので目立たない。人形などの小物で隠すことも容易。 ・下の図のようなネジを使うことで、美観も損なわれにくく、着脱が非常に容易である。 ・履き物・敷き物は使わずキャスターで床を滑り、背面にクッションを入れて緩衝する。  (クッションは古毛布か古座布団で十分。横から見えるならカーテン生地などで隠す)

見えないように壁に連結 ・アップライト型ピアノの裏側には丈夫な木の柱が何本か立っているので利用をする。 ・この柱一本一本と壁(横木を取り付けるのも一法)にヒートンを打ち太い紐を通す。 ・履き物・敷き物は使わずキャスターで床を滑り、背面にクッションを入れて緩衝する。  (紐連結なので本体の揺れはクッションで制されるだけで調律部への被害は少ない)

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