防災代用品と応用防災品     ヤルデア研究所 伊東義高


防災代用品 ・防災備蓄にはいろいろなものがある。そのおかげでいざという時に助かる。 ・それがなくても我慢すれば足りるものはそもそもが防災備蓄品ではない。 ・自宅避難や避難所生活で快適性を求める資器材はここでは防災備品とはしない。 ・もし、必要備蓄品が備蓄されていなかったり、壊れていたりしたらどうするか。 ・そのものの代わりになるもの、つまり代用品が手近にあれば困らなくて済む。 ・およそ半世紀前(太平洋戦争前後)の日本は代用品が当たり前の時代であった。 ・そのころのノウハウは今でも使えるし、展開・応用することができる。 1. 飲料水の代用品……水道水やボトル飲料水がなければどうするか…… ・雨水はむろん風呂水、川水、池の水も飲める。 ・タオル・肌着などで濾過して、空き缶などで煮沸すれば、不味いが飲める・ ・ペットボトルの底をナイフでカットし、ハンカチなどを詰めて濾過器とする。

2. 食料の代用品……カンパン、クラッカーや米、麺類がなければどうするか…… ・庭や野の草花の花、葉、茎、根や木の実は火を通せば、不味いが食べられる。 ・稀に毒性のものもあるので、平素調べて記憶しておく。 ・庭や野の昆虫、魚、貝、鳥は火を通せば食べられる。 ・最後の最後はペットの動物を食べてでも生き抜く。 ・植物系、動物系を細切れにして混ぜ合わせ鍋でよく煮込む。 ・鍋がなければ洗面器、バケツ、空き缶やアルミホイールで代用する。 ・調味料はなくても食べられる。(ハイキングではない。生き延びである。) ・そこまではしたくない…なら空腹を我慢。2〜3日の絶食はダイエットである。 (どんな地域での、どんな大地震でも、3日我慢すれば救援隊が来る) 3.卓上コンロの代用品……ボンベ式卓上コンロがなければどうするか…… ・コンクリートブロック、レンガ、大きな石などでカマドを庭に作る。  (燃料は炭のほかに壊れ材木、枯れ木、枯れ草、丸めた新聞紙など)

4. 懐中電灯の代用品……夜間照明用の懐中電灯や電池がなければどうするか…… ・灯明用蝋燭や防災用巨大蝋燭(直径65mm×長さ284mm)があれば十分である。 ・小皿に食用油を入れ布切れを捩って灯芯を作り、火をつければ灯油ランプとなる。  (小皿の代わりにコップ、空き缶、空き瓶、布切れの代わりにティッシュでもOK) ・油性マジックがあれば、その芯に火をつければしばらくの間の灯明となる。 ・付近に廃材か枯れ木があれば、焚き火として明るさを得ることができる。

5.ラジオ/テレビの代用品……停電で公的情報を聞くものがなければどうするか…… ・乾電池で作動する携帯用ラジオ、携帯用テレビが役立つ。 ・それらがなければ携帯電話のテレビ受信機能を利用する。(今後次第に増えよう) ・またはニュース・サイトに接続し、新聞社等のウエブ配信を受信する。 ・予め民間企業の地震情報配信サービスの契約があればメール受信できる。 ・それらの機能がなければ遠隔地の知人に電話してニュースを教えてもらう。* ・遠隔地の知人の電話番号が分からなければ、災害電話「171番」を利用する。* (* 遠隔地通信や171番は公衆電話でも可能) ・近くの避難所に行けば携帯ラジオか携帯テレビを持っている人に出会える可能性。

6.防空頭巾の代用品……頭を守る頭巾/ヘルメットがなければどうするか…… ・座布団・枕・折り畳んだ毛布を頭にあてがい紐で縛るか手で支える。 ・近くにある布もの(シーツ・タオル・衣類…)を分厚く畳んで頭に当てる。 ・小さな椅子・腰掛や分厚い本・木箱などを頭にあてがう。

7.包帯の代用品……傷口を包んだリ骨折部を固定する包帯がなければどうするか…… ・手ぬぐい・タオルや切り裂いたシーツ・カーテン・下着などを使う。 ・セロテープやガムテープなどもベンリに使える。 ・荷造り紐やロープもかなりの程度の代用になる。 8.添え木の代用品……骨折部を固定する添え木がなければどうするか…… ・骨折箇所が手の指なら、箸・鉛筆・ボールペンで十分である。 ・骨折箇所が腕や足なら、杖・洋傘・バット・掃除機の柄などを使う。 (廃材・木の枝・丸めた新聞紙なども使える) ・骨折箇所が手足の関節なら、下敷き・ファイルの表紙などを丸めて当てる。 ・骨折箇所が腰関節なら、背付き椅子に座らせたまま縛り付ける。 ・骨折箇所が首や背骨なら、戸板・テーブルに寝かせたまま縛り付ける。 9.担架の代用品……怪我人を運ぶ担架がなければどうするか…… ・戸板・分厚い棚板・畳・テーブル・長椅子などに乗せて運ぶ。 ・毛布や布団に寝かせ4人、6人が端をもって運ぶ。(毛布などが撓んでもよい場合) ・2本の物干し竿を三つ折り毛布に通して担架を作る。(毛布の摩擦力で滑らない) ・2本の物干し竿に重ねたシーツを渡し両端をよく縛って担架を作る。 ・2本の物干し竿を上着やズボンの手足を通す穴に通して担架を作る。 ・2本の物干しを紐・ロープや丸めたシーツやカーテンで結んで担架を作る。 ・意識があり怪我が首・腰・背骨でなければ、背負ったり抱えて運ぶ。

10.傷薬の代用品……消毒や治療の薬品がなければどうするか…… ・なるべくきれいな水で傷口を洗い落とし、きれいな布で覆う。(息や唾は厳禁) ・患部が熱を持つようなら、水で冷やしたタオルなどを当てて除熱する。 < @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 応用防災品 ・防災用品にはいろいろある。それぞれ用途・特性がある。 ・しかし、もしその防災用品がなかったらどうするか。諦めるか。 ・大災害とは生命の危険に瀕している異常事態である。 ・本来品ほどの効用はなくても代用品を探して急場を凌ぐのは当然である。 ・「防災品の代用」についてはその項に譲り、ここでは別用途への応用を考える。 ・一つの防災用品を本来用途以外に応用する智慧・知識を日ごろ習得しておけば心強い。 ・以下いろいろと例を示すが、覚えるだけでなく自分でも考えることが大切である。 1. シーツの応用

・他にも大風呂敷、野営便所の目隠し用の覆い、避難所内の間仕切りカーテン…に使える。 ・また、救護所を示す旗印、乳児のオムツ、穴を開けて貫頭衣、紐で吊って揺り篭……。 ・このほかにも、その材質特性・形状特性を応用したいろいろな使い道が考えられる。 2. ビニール袋、ポリフィルムの応用 (さまざまの材質・形状)

・樹脂袋は水・食料・小物入れの容器のほかに、オムツカバーや大小便容器に使える。 ・袋や小さなフィルムは使い捨ての食器となり、残り滓の容器となる。 ・樹脂袋は空気を入れれば浮き袋、水を入れれば氷嚢、砂を入れれば重石となる。 ・袋やフィルムは帽子・上着・レインコートのほかに衣服の間に入れて断熱材となる。 ・袋やフィルムは救急用の油紙の代わり、体温保持の毛布の代わりとなる。 ・透明な樹脂袋は頭に被り口を絞れば、しばしの間の防煙マスクとなる。(防炎ではない) ・大判フィルムは地震で破れた屋根・羽目板や戸口・窓の応急修理に欠かせない。 ・大判フィルムは電子器具を包んで、富士山噴火などによる火山灰から守るのに有効。  (火山灰には電荷があり、電子器具の微小な隙間から入り、ICを破壊する) ・大判フィルムを細く裂いて丸めてテープで留めれば、水や空気のパイプとなる。 3. 紐やテープの応用 (さまざまの材質・形状)

・紐は物干し紐、テント梁、通行禁止柵、よじ登り梯子、重量物引き寄せロープ…となる。 ・紐や強力テープは倒れ掛かった、壊れかかった家具類の応急固定・緊縛用に使える。 ・粘着テープは破れ窓の補修、水・油漏れ防止、家具や衣服の応急修理…に使える。 ・粘着テープは飛散ガラスの粘着除去、壊れ陶器の応急補修、破片類の束ね…に便利。 ・粘着テープは絆創膏・包帯代わり、テント・幕張り、標識貼り付け…用途が広い。 ・紐・縄や粘着テープは東海地震警戒宣言下での応急対策に欠かせない便利グッズである。  (割れ物や家具類の緊縛、窓ガラスの補強、手押し用消火水袋の作成……)

  4. 新聞紙・ティッシュの応用

・新聞紙・ティッシュは手拭・尻拭き、包み紙、詰め物、緩衝材、防寒材…として使える。 ・千切った新聞紙・ティッシュは焚き付け材に、丸めた新聞紙は薪代わりとして使える。 ・新聞紙は窓の目張り、割れガラスの補修、間仕切り、カーテン…として使える。 ・固く丸めて縛った新聞紙は骨折部を固定する添え木として使える。 ・新聞紙の活字間隔を利用して建物の傾斜・隙間を測定する物差しとして使える。 5. ボウル・金属性洗面器の応用

・そのまま液体や小物の容器・運搬具・洗い桶のほかに、薬缶・鍋・釜の代用になる。 ・頭に被ればヘルメット、頭の下に敷けば枕になる。 ・縁や底を棒で叩けば鉦、半鐘になる。(警戒信号、救援要請、役割交代……) ・底にタオルを敷いて、縁周りに紐を絡げて肩に掛ければ、赤ちゃんの背負子になる。 ・中に灯油と燈芯を入れれば、大型灯油ランプになる。

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